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やまびこ 2013年 7月号 をお届けします。

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パソコンきらく館 白川由紀子 講師からのひとこと

「健 康 寿 命」

蒸し暑い季節になり、熱中症のニュースをよく耳にするようになりましたが、水分補給など皆様くれぐれも健康にはお気を付けになってください。

私は歳のせいか、最近よく見聞きする「健康寿命」という言葉が気になり新聞の記事やテレビの番組などをよく見るようになりました。

「健康寿命」とは、世界保健機関(WHO)が2000年に示した考え方で「健康で日常生活に支障がない」と感じられる期間のことだそうです。
安倍首相も三本の矢の一つ「成長戦略」の柱に「健康長寿社会」の実現を掲げています。
「健康寿命」を伸ばせば増大する医療・介護費を抑制できるからです。

2010年の「健康寿命」の平均は男性70.42歳、女性73.62歳で「健康寿命」と「平均寿命」との差が男性で9.13年、女性で12.68年の差があり、地域差もあるそうです。
この期間は日常生活に支障がある「不健康な期間」ということです。 

「健康寿命」は高齢期間だけの問題ではなく、生涯にわたる健康づくりも大切になってきます。
その健康づくりのヒントがわかりやすく載っているのが、高齢者とは真逆の若い大学生さん向けの「東京学芸大学保健管理センター」のホームページですが、その時々の旬の健康に関するアドバイスが掲載されていてとっても参考になるいいサイトだと思いますので一度立ち寄ってみてください。

http://www.u-gakugei.ac.jp/~hokekan/




ちなみに私は最近のホケカンだよりの「あるがまま・・・〜森田療法的アプローチ〜」という記事がとても心に残っています。



「あるがまま・・・」という言葉の響きがここちよくてとても参考になりました。



あるがまま…  〜森田療法的アプローチ〜

保健管理センター  浅香 真知子

人間関係がうまくいかない。つまらないことでクヨクヨする。ささいな身体の不調におびえる。ストレスがたまる。・・・このような神経症(≒不安障害)を治療する精神療法の一つとして「森田療法」というものがあります。

【森田療法とは】1919年に我が国の精神科医、森田正馬によって創始された神経症に対する精神療法です。その特徴は、神経症が、その人の神経質性格(内向的、自己内省的、心配性、小心、敏感、完全主義的性格等)を基盤に特有の心理的メカニズムで発症すると考えたことです。その心理的メカニズムとは精神交互作用であり、思想の矛盾といわれる不可能を可能にしようとする心の葛藤であると説明したのです。そのような背景のある神経症の治療とは、「あるがまま」とよばれる態度であり、不安や症状を排除するはからいをやめ、そのままにしておく態度を養うことです。

そのために、不安を抱えながらも生活の中で、必要なこと(なすべきこと)から行動し、建設的に生きるということを教え、実践させる治療方法です。つまり、「あるがまま」という心を育てることによって神経症をのりこえていくのが森田療法の主眼です。したがって、生き方の再教育とも呼ぶべきものでしょう。(公益財団法人メンタルヘルス岡本記念財団HPより)


今から100年近く前、皆さんのおじいさん、おばあさんよりもずっと前に生まれた日本独自の精神療法です。戦前の軍国主義時代と現代の日本人では、その精神性は大きく異なり、はたして、実際そのような考え方が今の世の中で通用するのだろうか、と思われるでしょう。ところが、この森田療法はここにきて大きく見直されているのです。メンタル不調者のリワークプログラム、育児ストレスや妊産婦のうつ、不登校・ひきこもり等々…現代社会を反映するような病態からの回復のアプローチとして応用されています。また、国際的にも評価がなされ、その本質は普遍的であり、微細な部分を時代や文化に応じたものに変化させていけば、その適応は広く、実際に効果が得られているとのことです。


今回、皆さんにご紹介したいのは、この森田療法の「あるがまま」という考え方です。大学時代は、自分がどういう人間で何をしたいのか、何ができるのかを自問自答する時期です。これまでの自分自身の育ちを振り返り、家族との関係や、心的外傷(トラウマ)に悩み、同世代の人間関係のなかで他者と比較し違和感を覚えたり、劣等感にとらわれることもあるでしょう。この時期に十分自己探索をすることがその後の充実した人生につながるわけですが、この葛藤にどっぷり浸かりきって身動きが取れず苦しくなるケースもあります。眠れない、胃腸の具合が悪い、動悸がする、過呼吸になる等の身体不調が続いたり、抑うつ気分、意欲低下、パニック発作等の精神症状にあらわれることもあります。真面目で純粋な性格の人、古来の日本人らしい気質の人にその傾向は強いので、きっと、苦しんでいる学生の皆さんもいると思います。


ここで「あるがまま」をやってみましょう。

例えば、「つらいし、しんどいし、何もしたくない」、でも、とりあえず「ごはんたべよう」「学校に行ってみよう」という行動にうつしてみるのです。理想の自分じゃないし、具合の悪さもあるけれど、でも、そのままに『あるがまま』に受け入れて動いてみよう。悩み事には答えがでないし、考えるとつらいけど、その考えを払拭しようという「はからい」をせずに、そのままの自分でいいのです。可もない、不可もない自分として『あるがまま』に生きてみましょう。


この考え方は、精神医学の治療法という位置づけばかりではなく、哲学的であり、ひとつの人生観という側面もあります。とくに、多感で吸収力のある青年期に、この森田療法的アプローチで、現代社会を生き抜く力・自分で自分を支える力をつけることができたら、それこそ人生の糧になります。


かつて、東京帝国大学の医学生であった森田青年が自らの苦悶・葛藤のなかから編み出した『あるがまま』の精神を、90年の時を経て、現代に生きる学生の皆さんが感じとり、強い力として蓄えてほしいです。

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