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やまびこ 2015年7月号 をお届けします。

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「別解」の視点をもっていれば、いきることはむずかしくない



 1歳10ヵ月で親に捨てられて貧しい養父母のもとで育ち、子どもの頃はとても孤独でしたが、「大変だろうから」と晩ごはんを食べさせてくれる家が近所にはありました。
 それがほんとにおいしくて、うれしくて、「ありがとうございます」「とてもおいしかったです」と感謝の気持ちを言葉にするうちに、世話をしてくれる家はどんどん増えていったんです。
 それは、人と同じじゃなくてもいいんだ、「別解」を探す生き方をすればいいと思うようになった原体験でした。

 大学卒業後、「医者がいなくて困っている」と言われて気軽に就職した諏訪中央病院は、4億円の累積赤字を負っていました。
 いつつぶれてもおかしくない病院で、昭和63年から15年間院長を務めたのですが、当時、長野県が脳卒中による死亡率が高いことに注目し、市民も巻き込んだ健康づくり運動を始めると、あっという間に健康寿命日本一の地域になりました。
 デイケア、在宅ケアといった高齢化を見越したシステムも、そんな運動のなかで生まれたのです。

 「黒字にしたい」と本心では思っても、一度も口には出しませんでした。都会の高度医療にはどうやったっておよばない。だけど、高度医療だけでは満足できない患者がいることも事実。「温かい医療」ができれば東京の病院にも負けないんじゃないか---その発想が病院改革における別解でしたね。
 最後は30億円の預金のある黒字病院に立て直してバトンを渡しました。

 どんなビジネスでも、人間の生き方でも、別解はあるはず。その視点を持っていれば、生きることはむずかしいことじゃない。
 そして、がんばれば豊かになれるという「正解」から離れて○に近い△を見つける別解力こそが、人生をおもしろく、輝かせるのだと思います。
                         「まいんど6月号」日本フルハップより

鎌田賓(医師・作家)
昭和28年東京都生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。諏訪中央病院名誉院長。
平成3年よリベラルーシ共和国の放射能汚染地帯への医師団派遣、医薬品支援を行う(JCF)。
同16年にはイラク支援を開始するとともに、福島で放射能汚染から子どもを守る支援活動を続けている(JIM-NET)。

「人と同じでなくていい。それぞれ、生きる道がある。」という言葉に妙に共感が持て、勇気を感じ、自分の気持ちに素直になれる気持ちになりました。


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